装甲娘サービス終了に対する私の個人的な感想
どーも、HINAです。
この記事を書いている2021/04/30、装甲娘のサービス終了が発表されました。
装甲娘はダンボール戦機を原作としたいわゆる美少女ソシャゲで、ダンボール戦機に登場したロボット、LBXを原型とした装甲を纏った少女たちが「ミゼレム」と呼ばれる敵と戦う、というストーリーでダンボール戦機で主人公のバンたちとともに戦った川村アミやジェシカ・カイオス、古城アスカも装甲娘として実装され、LBXの開発者でバンの父である山野淳一郎、バンのライバルである海道ジンなどがストーリーに登場するなど、原作ファンへのサービス要素も多く個人的には満足度の高い作品でした。
では何故サービス終了となってしまったのか。
個人的観点から、装甲娘の不満点、問題点を語っていきます。
尚、あくまで個人的な考えであり、サービス終了の正式な理由は私はわかりません。あくまで個人的な観点からの記述であることを前提としてご覧ください。
ソシャゲなのにガチャに魅力が薄い
装甲娘、最大の欠点がこれだと私は思っています。
そもそも、装甲娘はソシャゲです。つまり石を買ってもらわないとコアスケルトンでオーレギオンに挑むほどお話にならない。
ソシャゲの運営は課金が無ければ成り立ちません。サーバー運営費、イラストレーターへの依頼、開発スタッフの給与……私はゲーム会社に務めたことはありませんが、それでもその程度はわかります。
装甲娘における石の使い道は主にガチャとスタミナ回復です。
そしてそのスタミナの使い道はキャラ育成とイベント周回。その周回も育成素材やキャラ加入などが報酬なので、実質的に課金する理由はいかにキャラクターが魅力的かに収束されます。
そしてこのゲーム、対人要素として連合ランキングイベントとNEOアルテミスというものがあります。
このうち常設されているのがNEOアルテミスで、ここで優秀な装甲娘がガチャでPUされると課金したくなる……というわけでもなく。
このNEOアルテミス、ランキング上位になるメリットがあまりにも少ないのです。
大体のソシャゲではランキング上位には上位報酬として石やガチャチケ、称号や場合によってユニットの限定、先行配布などが行われることが多いのですが、正直この報酬がしょっぱいんです。
せいぜい10連分にも届かない程の石がもらえた程度。限定ユニットなんてものはありません。
そうなれば大半のプレイヤーはガチャから排出されるキャラクターにどれだけの魅力があるかで課金するかを決める訳ですが、正直に言ってそのキャラが欲しいかどうかは、その原型機のLBXが好きかどうかになってきます。
というのも、前述したように装甲娘はLBXの擬人化ではなく、LBXを原型とした装甲、LBCSを装着した少女たちであり、本来であればその少女たちの見た目や性格などのキャラクター性でガチャを回したくなる。それが美少女ソシャゲの定番です。
しかし、装甲娘はその少女たちのキャラクター性に触れられることが非常に少なく、イベントストーリーで活躍するキャラクターも多少はいるもののほとんどがキャラクターを入手することで読むことができるようになるキャラストーリーのみでしかそのキャラクターについて語られません。
つまり、美少女ゲーであるにも関わらずほとんど誰も「少女」に興味を持っていないんです。
その上で、次の問題点です。
キャラクターデザイン
装甲娘のメインイラストレーターは。POPさんという方が務められています。
ほとんどの装甲娘のイラストを担当されており、装甲娘というコンテンツを作り上げる上でかなり重要な役割を担った方です。
その装甲娘のデザインなのですが、「少女」に対して興味が向けられていない以上、「いかにその原型機の意匠をうまくアレンジし、デザインに落とし込んだ装甲娘」かどうかをファンは見ていたと考えられます。
しかし、POPさんはその画風の関係もあると思われるのですが、装甲娘のデザインがへそ出し、腰マントという特徴が多く見られました。
へそ出しは美少女ゲーとしては間違ったデザインではなく、R18作品でない以上露出度を上げるのには間違っていないデザインでした。
腰マントに関しては正直ペルセウスなどの元々腰マントのあるLBXならともかく、オーディーンMrk2などの全く関係の無い装甲娘にもデザインされていたことに批判の声が多かったですが、個人的にはもともと白いデザインも相まって女騎士のようなデザインにまとまっているのは割と好きです。
しかし、前述したように多くのプレイヤー、というかダンボール戦機ファンは装甲娘の「娘」の部分を見ていませんでした。
その結果、装甲娘のデザインは(恐らく)イラストレーターがターゲット層に見ていた「美少女好きのオタク」ではなく、「純粋にLBXが好きなかつての少年少女」が主なプレイヤー層になってしまったことで、LBXを愛している人々のニーズと合致せずファンが不満を覚えることになってしまったのではないかと私は思います。
そういう点ではPOPさんは被害者でもあると言えるでしょう。あくまでイラストレーターは依頼されたイラストを描く仕事であり、それにOKを出すのは企業の担当者です。
POPさんのツイートを見るに、彼(もしくは彼女)はダンボール戦機のファンではないと思われ、あくまで仕事としてイラストを描いていたと考えられます。
そもそも、POPさんはミゼレムクライシス以前の「大破イラスト」が存在した旧アプリの頃からイラストを描いており、本来美少女ゲーとして展開していくはずだった装甲娘が、リブートにあたり原作要素を多く盛り込むという方針転換により、ストーリーに原作リスペクトを感じられたあまり、イラストに対しても期待値が高まってしまった故の結果であると私は考えます。
というか、そもそもクリエイターの作品を直接否定するのはクリエイターに対して最もやってはいけない行為のひとつです。そんな行為をすれば、それはもうファンではなくただの害悪です。
まだ自分のアカウントで不満を垂れ流すなら構いません。ですが本人に凸するのは間違っていると私は考えています。
クリエイターとして、自分の作ったものを全面から否定されるのはかなり心にダメージを負います。
実際のところ、POPさんの質問箱などにどれだけの非難や心無い言葉が送られていたか、私にはわかりません。
しかし、それが理由で『もう装甲娘のイラストを描きたくない』と思い、それがサービス終了の理由の一つとなった可能性もあります。
実際のサービス終了理由は正確にはわかりませんが、ファンを名乗るマナーの悪い害悪がサービス終了の理由の一つとなった可能性もあるということだけは覚えておいてください。
アニメ『装甲娘戦機』
アニメ版である戦機では、ゲームとは完全に違う、もっと言えばミゼルクライシスではなく旧版の世界観をベースにした独自のストーリーが展開されました。
しかし、こちらでも「ミゼルクライシス」の原作リスペクト要素が逆に足を引っ張る結果となってしまったと考えられます。
まず、ゲーム版と装甲娘の設定が異なり、ミゼルクライシスでは「LBCS」、アニメでは「LBXユニット」と呼称されていたり、そもそものデザインの方向性が異なっているなど、全体的に方向性が異なりました。
そして、最もファンの反感を買ってしまったのが「オタクロス」の描写でした。
オタクロスはダンボール戦機に登場するアキハバラの長老で、「天才ハッカー」の肩書を持つのですが、装甲娘戦機では「天才LBXビルダー」という謎の肩書きを名乗っており、性格も軟派なところが誇張され、エロジジイのようなものになっているなど、原作と異なる点が多くダンボール戦機ファンの多くは受け入れられず視聴を切る者もいました。
他にも、反動が大きい必殺アタックファンクションのデメリットを解説しない、等身がおかしい、オタレンジャー像がレッド以外適当……など私としても不満が多く、正直なことを言うと戦機はあまり好きではないです。
一応、このオタクロスは「装甲娘戦機の世界のオタクロス」であることが示唆されていることだけが救い……というかそれしか救いがありません。特撮ファンにはディケイドの剣崎位受け入れられない、と言えばわかってくれるでしょうか。
また、アニメとゲームの世界観が大きく異なるが故にアニメを見てゲームを始めるプレイヤーも少なく、世界観の違いからコレジャナイ感を感じすぐに引退するプレイヤーがほとんどでした。
これらのことから、アニメ「装甲娘戦機」はゲーム版の売り上げの貢献するどころか、ファンの怒りを買う結果となってしまいました。
ゲームシステム
もう身もふたもない話なのですが、正直言って装甲娘はゲームシステムが非常に悪いです。
ゲームの魅力はキャラ、シナリオ、そしてゲームシステムにあると思うのですが、そのうちシナリオ以外の2つが魅力的でないというのはもうゲームとして成り立ちません。
基本的にこのゲーム、やることが新規シナリオ開放時にメインクエストをクリアしたらあとはやることがほとんどありません。
イベントもあるにはありますが、結局は強化素材と装備アイテムの交換位なのであまりうまみがありません。
せいぜいランキングイベント上位報酬を貰うためのランキングボスバトルがありますが、複数回周回しようと、ランキング評価基準は総合計ダメージではなく最大瞬間火力やクリアタイムなどなので、1度最大育成済みのパーティーで回れば再度回る必要はほとんどありません。
つまりは、イベント中でも最低限回り切ればキャラ強化のためにメインクエストを回る作業になる……完全な作業ゲーと化すのです。
もちろん無限周回にできる「ミゼレムゲート突破作戦」のようなイベントもあるにはあるのですが、結局は基本オートで出撃させるだけなのでやっぱり虚無ゲーなのです。
総じてゲームシステムそのものが時間と気力だけを摩耗させていくようにできていることから、「ゲームそのものが面白い」と思うことが少ないゲームでした。
それでも、「諦め」なんて言葉 似合わなくていい。
どれだけゲームがつまらなくても。
キャラに魅力が持てなくても。
アニメが微妙でも。
私はあの「ダンボール戦機」が大好きだったから、装甲娘をプレイし続けました。
皆の活躍が見たかったんです。
シナリオの中で大好きな郷田さんや仙道、ミカの名前が出た時、私はとても嬉しかったんです。
ミカが装甲娘にならない理由も、郷田さんの傍にいるため。じゃあ郷田さんを守るためにアマゾネスの装甲娘になるんじゃないか。そうなったら隊長は郷田さんなのか、カズなのか。もしかしたらスピンオフの漫画とか出ないかな。そんな期待を抱いて、装甲娘をプレイし続けました。
結果、スピンオフの漫画どころかサービス終了という残念な結果で終わってしまいました。
郷田さんたちも、バンもオタクロスも、シルエットすら出ないまま。ランに至ってはジンの元で訓練に励み、実戦に出ることのないまま。
そして、何より不遇なのはアテナスで唯一期間限定キャラクターが実装されないまま終わってしまうクノイっちゃんでしょう。アキレスは二回出てるのに……
ぶっちゃけ浴衣クノイっちゃん期待してました。まあ夢のまま消えてしまいましたが。
そして、もうひとつ。
私は、装甲娘の世界で救われて欲しいキャラクターが一人いました。
大空ヒロです。
彼はWの主人公でありながら、ウォーズのその後を描いた物語である『LBX烈伝』にて敵のワールドセイバーに洗脳され、バン達と対決します。
オーバーロード使いであったヒロは『ディ・レギウディア』という最強クラスのLBXを使い、バンやアラタを圧倒します。
戦いの果てにバンとアラタの放ったダブルレイウイングに敗北。オーバーロードの反動で片目を負傷し、意識不明となります。
そして、その後どうなったか一切描かれませんでした。
LBX烈伝が打ち切りになったのです。
「ダンボール戦機」の世界では、ヒロは今も意識不明のまま、その先が描かれることのない物語の中でバッドエンドを迎えたままなのです。
だから。だから、せめて装甲娘の世界では幸せになってほしかった。
しかし、装甲娘の世界での描写は「母である大空遥の研究を手伝っている」、ただそれだけです。
ヒロは、ヒーローが大好きな子なんです。
Wのラストで、「僕たち、ヒーローに成れたんですね!」って言ってたんですよ。
でも、戦いは終わってなかった。
でも、ヒロミゼレムと戦う術を持っていないんです。
いくらオーバーロードを使えても、装甲娘じゃなきゃミゼレムとは戦えない。
一度はヒーローになれたのに。きっとヒロは無力感に苛まれていると思うんです。
だからちょっとでも力になれるように、遥さんの元で研究を手伝ってるんだと思うんです。
それでも、ヒロ自身はもう戦えない。
私はずっと思ってたんですよ。誰でもミゼレムと戦えるために「ライディングアーマー」を元に開発したパワードスーツとかが出てくるんじゃないか、とか。ユウヤのLBXコスをヒントに全身パワードスーツタイプのLBCSが出るんじゃないかとか。
オーバーセンス装甲娘と同等とはいかないまでも、皆に戦う力があれば、って。
でもそんな展開はありませんでした。
私が装甲娘に願うのは、もうただ一つ。
イラストだけでいい。声が入らなくたって構わない。
ヒロやバン、カズやユウヤ、ジン。郷田に仙道。
戦いをサポートしてきたみんなが、同じくLBXを箱の中に戻すために戦ってきた装甲娘たちと楽しくLBXバトルをしてる世界が見たいんです。
もうそれだけでいい。それ以上、もう望めないので……
さて、ここからは私のごくごく個人的な話です。
私は、ダンボール戦機というコンテンツが大好きです。
小学生だったころ、雀の涙のようなお小遣いでLBXプラモを買い、クリスマスプレゼントにPSPを買ってもらい、ダンボール戦機ブーストをプレイしていました。
当時はイフリートが倒せず、あきらめてゲームを売ってしまいましたが、高校生のころゲームショップで中古のブーストを見つけて購入。メモリーにデータが残っていたおかげで続きからプレイ出来ました。
当時から使っていたパスワードで手に入る青いハカイオー絶斗のACを上げ、数年越しにイフリートを倒しエンディングを見ることができました。
その後、同じゲームショップでPSP版Wを購入し、プレイ。
既にアルティメットミゼルを倒し、ランキングバトルは1位。現在はパーツを集めてカッコいい/かわいいLBXを作って楽しんでいます。
あの頃から約10年。今でも私はあの小さな箱の中の戦いに心奪われています。
そして、私は今も昔も「ハカイオー絶斗」というLBXが大好きなのです。
今見ればアニメではナイトメアに助けられたりと不遇な扱いが多いですが、あの頃見た「超我王砲」の圧倒的インパクト。ビームチェーンソーという未来感と武骨さを両立した武器のカッコよさ。そのすべてが私の心を熱く滾らせます。
そして、装甲娘の旧アプリが発表された時。当時パソコンを持っていなかった私はプレイできず、プレイしていた先輩から話を聞きスマホ版のリリースを待ち望んでいまいた。
しかし、装甲娘は長期メンテからのリニューアルが決定。私はその頃再購入した「ブースト」をプレイしながら、ずっと装甲娘の復活を待っていました。
そして、しばらく経った頃「ミゼレムクライシス」が発表されました。
アミが装甲娘になったり、原作Wから繋がるパラレルワールドであるなど。様々な発表がありました。
そして、新規実装される装甲娘の中に、「ハカイオー絶斗」の名前がありました。
そのデザインは賛否両論を呼び、特に「超我王砲」の二門の砲門が完全におっぱいビームだとか言われていました。
正直、若干アレな話なんですがゼットちゃんすごく「性癖」に刺さったんですよ。
いやだってあの日焼け跡完全にスク水じゃん!?しかもランドセル背負ってないですか????え????このおっぱいで小学生は無理があるでしょ?????は????天使か??
……失礼、取り乱しました。
まあ端的に言えばロリ巨乳スク水という性癖ぶっささりがまさかの推し機体のLBCSで来たんですよ。
もしかしたら、私はこの時点で装甲娘を「美少女ゲー」として見ることができていたので、装甲娘のデザインに嫌悪感なく見ることができていたのかもしれません。
装甲娘がリリース開始直後、アミのPUガチャが来ていましたがチュートリアル以外は一切引きませんでした。
私はゼットちゃんの実装まで、石を貯め続けたのです。
そして、ゼットちゃんが実装された当日。
無事引き当てることに成功し、その日のうちに友好度MAX、その週のうちに当時の限界レベルまで育成しました。
その後もパーフェクトZX3など、好きなLBXの装甲娘が実装され、その度に石を配ってくれた神運営に感謝しながらガチャを回していきました。
しかし、それを後悔する事態が起きます。
浴衣ゼットちゃんの実装です。正直、完全にノーマークでした。
期間限定キャラは先にアテナスメンバーが全員出るはず。そう思っていた私はこの予定外の事態に必死で石を掘り出しました。
あまりお金がないにもかかわらず、課金までしました。値段は……ご想像にお任せします。
それでも、無情にもガチャ期間は終了。私は来年の夏に復刻されると踏んで、その時には絶対に引くと決意を固めました。
その後、一度有償復刻がありましたが、金欠で課金ができず、夏まで待つ。そう考えていました。
しかし、2021の夏イベントが開催されることはありませんでした。
そろそろメンテ明けか、そう思いながらTwitterを見ていた私の目に飛び込んできたのは、サービス終了の告知。
そして、ずっと待ち望んでいた浴衣ゼットちゃんの復刻でした。
絶望の中、私は装甲娘を開きガチャを回します。
10連目で浴衣ゼットちゃんを引くことができたにも関わらず、その心は遂に引くことができた嬉しさではなく、引いたこのデータもあと2か月で消えてしまうという虚しさだけが残っていました。
あの時、私が有償復刻に課金していれば。もっと言えば、浴衣ゼットちゃん実装時ににもう少し課金できていれば。
もしもの話かつ、そんな些細なことじゃ変わりはしなかった。そう分かっていても考えてしまうんです。
私のこの虚しさは、きっと埋まることはないでしょう。
願わくば、装甲娘TCGがバカ売れしてゲーム復活は無理だとしてもノベライズやコミカライズが出ますように。まあ、ほとんどありえないでしょうが。