ダンボール戦機へ愛をこめて~烈伝や装甲娘は何故終わってしまったのか、何故W期以降のキットを再販しないのか~

こんにちは、HINAです。
今回はダンボール戦機及び装甲娘について、何故コンテンツが終わってしまったのか、そして何故W期のアニメを配信するのみで再販をしないのか、という話について私の見解を述べていきます。
なお、必ずしもこれが公式の考えていることであるとは限りませんのであしからず。
あくまでも私個人の想像として読んでいただけると助かります。

では、まずダンボール戦機の関連作品である装甲娘がサービス終了してしまった理由についての私の考えを述べていきます。

単刀直入に言います。というか、今回の話は基本全部これです。


お金にならないから。


以上です。
詳しく説明しましょう。
まず、装甲娘というプロジェクトはまずゲームから始まりました。いわゆる、旧版というやつですね。
こちらは原作であるダンボール戦機との世界観的なつながりはなく、基本的にLBXのガワを持ってきた美少女コンテンツという側面が強く、ゲーム自体も一部のユニットが強力すぎたりと、あまり売り上げが伸びませんでした。
そこで、一度リブートという形でサービスを停止。ほぼ完全にゲームを作り直したのが『装甲娘ミゼレムクライシス』。こちらはWのミゼル編後のWARSとは別の道を辿ったパラレル世界であり、川村アミや山野淳一郎などの原作キャラクターも登場したり、敵がミゼルの残滓、『ミゼレム』であったりと全体的に原作へのリスペクトを感じる設定となっており、ダンボール戦機好きの間では勿論賛否両論ありましたが、それもひっくるめて話題になりました。
実際にミゼレムクライシスがリリースされ、原作ファンへのサービスが多いシナリオへの評判は概ね良く、私もかなり満足できる出来でした。
しかし、ゲームシステムについてはあまり良いものとはいえず、全体的にプレイしていてストレスが溜まる、という声もちらほらと聞きました。
実際、私自身も少々作業ゲーと化していたことを否めませんし、イベントへのモチベーションが沸かず別のゲームばかりやっていて今日ログインするの忘れてた、なんてこともありました。
不満点については過去記事で話していたり、他の方がより詳しくまとめているので詳細は省きますが、シナリオは良くても課金をしてガチャを回したり、石を割ってイベントを回ったりするほどのプレイヤーがあまり多くなく、売り上げが芳しくなかったのだと推測されます。
そもそも一度リブートという形でゲームを作り直した時点でかなりのお金が動いていることは想像に難くなく、その結果ですら売り上げを出せないと判断された結果、ゲームシステムの改修を行う予算を捻出できず、企業として利益にならないという結論に至りサービス終了という結果になったと考えられます。


次に、ダンボール戦機のゲームシリーズがWARSで終了したことについての話をしていきます。

こちらも結局は『お金にならないから』という理由と推測されますが、その背景についての見解を述べさせていただきます。

まず、そもそもとしてダンボール戦機のゲームシリーズの売り上げはあまり良くなかったということがあります。
レベルファイブとしては、メディアミックス作品としてアニメ、ゲーム、プラモetc……と様々な媒体で展開する作品として世に出した訳ですが、結局のところレベルファイブはゲーム会社なのでゲームを買ってもらうことが一番の目的な訳です。
しかし、低年齢層をターゲットとしたホビアニでありながら、ゲームハードが小学生にはあまり普及していなかったPSPであったために、そもそもプレイしたいけどハードがないという層が生まれてしまいました。
その反省を生かしてか、無印は『爆ブースト』、Wは『超カスタム』、三作目の『WARS』はそもそも3DSでの展開、と低年齢層にもなじみ深く『イナズマイレブンシリーズ』も出している3DSソフトとして発売しました。
無印やWをPSPPSVitaで購入していたプレイヤーにとっても、単純に移植作としてではなく追加要素を盛り込み、新作である『WARS』との連動も組み込むことでファンのう購買意欲を煽ろうとしました。

しかし、裏を返せば3DS版の方が遊べる要素が多いということでもあり、いわゆる『完全版商法』ともいえる売り方であったため、一部ユーザー側の批判を受けることにもなってしまいました。
特に無印についてはPSP版で既に『ブースト』というアップデート版が発売されていたこともあり、全てのバージョンを購入した場合無印のストーリーを3回プレイする、なんてことにもなってしまいます。

勿論、それぞれのバージョンに良いところがありますし、一概に無印が爆ブーストの劣化、とは言い切れません。
特に、無印のエンディングテーマである『little smile』はつい最近限定発売されたCD以外ではゲーム内でしか聴くことができず、これを聴くためにラスボス戦を何度も回った方も多いと聞きます。
というか無印のラストにとても合う曲なので、一番あのエンディングにしっくりくるのがこの曲、という声も聞きます。

とはいえ、ゲームのボリュームとしてはアップデート版の方が上であることに変わりはなく、「最初からそっち出せよ」という意見があることも事実です。

とまあゲームの問題点は他にもいろいろとあるのですが、細かく説明していると長くなってしまうので割愛させて頂きます。

ということで結論を言いますと、『プラモは売れたけどゲームは売れなかったからゲームの展開が終わった』です。

実際この反省はレベルファイブの次回作である『妖怪ウォッチ』シリーズで生かされており、玩具である『妖怪メダル』とゲームを連動させることで、相互的に売り上げを伸ばすことができた、という良い結果に繋がっています。


では、次にダンボール戦機のプラモシリーズの展開が終了した理由についての考えです。

こちらも結局は『金にならないから』なのですが、まあまあ複雑な理由がありそうだな、と考えています。

当時、ダンボール戦機のゲーム展開が終了した後に、模型雑誌『ホビージャパン』にて『LBX烈伝』という続編小説が掲載されていました。
そして、『LBX烈伝』で登場する機体をキットとして発売するという形でダンボール戦機のプロジェクトはしばらくの間続いていました。
しかし、『LBXディ・レギウディア』を最後にプラモの展開は終了。LBX烈伝も打ち切りに近い形で幕を閉じました。

これにより、『装甲娘』の発表までダンボール戦機に関する公式からの展開は途絶えてしまいました。

ここで考えられるプロジェクト終了理由は、『プラモももう売れなくなったから』だと思われます。
そもそもLBXプラモの売り上げが伸びた理由として考えられるのが、『普段プラモデルに馴染みのなかった低年齢層にも買って貰えた』というものが挙げられます。
しかし、同時期に同じくレベルファイブの日野社長が手掛ける『機動戦士ガンダムAGE』、ガンダムシリーズのプラモデルであるガンプラを扱うホビーアニメ、『ガンダムビルドファイターズ』が展開されたことに加え、『LBX烈伝』が模型雑誌であるホビージャパンでの小説形式での連載という低年齢層に馴染みのない媒体を取っていたことで『低年齢層でも手を出しやすいプラモデル』という強みが薄れてしまい、売り上げが下がってしまったのではないかと推測します。
また、直後に『妖怪ウォッチ』が放送されたことで、プラモデルを購入していた子供の興味が妖怪メダルに向かってしまった、というのもあると考えられます。
結果的に、烈伝シリーズのキットを購入する顧客がアニメ放映時よりも減ってしまったため、売り上げが伸び悩みシリーズ終了、という形になってしまったのではないかと考えました。

では、最後にバンダイスピリッツからのキット再販についての話をしましょう。

現在、バンダイスピリッツ公式YouTubeチャンネルにて『ダンボール戦機W』が毎週配信されています。
しかし、エルシオンやペルセウスをはじめとしたW期に登場したLBXのプラモデルは未だ再販されておりません。
たまに無印から一部のキットが再販されることがありますが、W期のキットに関しては音沙汰がありません。

これについては、結構面倒な問題があると考えられます。
以前コロコロチャンネルでのアニメ配信に合わせ、無印のキットを再販しました。
この際、当時のファンだけでなく今の子供たちにもキットを買って貰う、という考えがあったと思われ、実際LBXプラモデルはバンダイホビーサイトキッズにて紹介されています。
しかし、恐らくですが低年齢層への販促がうまくいかず、想定より売り上げが悪かったのではないか、と考えています。
そして、無印キットは再販の際に金型を調整しているので問題なく使用できますが、W期以降のキットは金型の整備がされておらず、劣化している状態のままなのではないかと思われ、その金型を使える状態にして、生産ラインに組み込むのに掛かる費用と現状から想定される売り上げから、利益が出るかどうかを見極めている状態ではないかと思われます。


ここまでダンボール戦機や装甲娘について話してきましたが、実は完全に希望が潰えた訳ではありません。

まず、装甲娘はコトブキヤから『ジ・バニャン/コザクラツグミ』のキットが発売されることが決定しています。
また、1月にはアニメ『装甲娘戦機』のグッズが発売されたり、とゲームはサービス終了しましたが関連商品の展開が完全に終了したわけではありません。
特に、『装甲娘TCG』は現状第一弾とスターターデッキしか発売されていませんが、何かしらのきっかけで話題になり、プレイヤーが増えて売り上げを大きく伸ばすことが出来れば第二弾以降の発売へつながる可能性もない訳ではありません。非常に難しい話ではありますが。


そして、ダンボール戦機のプラモデルに関してですが、これはもう「みんな今市場にあるキットを買おう!」としか言いようがありません。
無印キットの売り上げが伸びれば、W期以降の機体に対する売り上げの期待値も上がります。
とにかくキットを買って、バンダイスピリッツ公式のご意見ご要望に再販希望の想いを投書する。
それがダンボール戦機プラモデルの再販に対して最も効果的だと考えられます。
特に、購入する顧客が増えれば増えるほど、再販した際にも買ってくれる人が増えることにも繋がるので、是非これを読んでいるモデラーの皆さんは現状店頭にあるキットをそのまま組むのは勿論、塗装、改造、ミキシングなどで今までLBXプラモデルを買わなかった人たちにも魅力を広めていただけると幸いです。



まあ、ここまで話してきましたがすべてあくまで私の考察であり、実際のバンダイレベルファイブ、DMMなどの関係者がどういった考えでコンテンツを展開しているかについては私はわかりませんのであしからず。
それでは、今回はここまでです。お読みいただきありがとうございました。