怪文書便乗(閲覧注意)

引き返すなら今だよ









僕、神沢コウはちょっと身長が低いのと女顔なのがコンプレックスなだけの普通の高校生。

…だったはずなのに、朝起きたらなんか研究所みたいなところに拘束されていた!

「目が覚めたか少年」
謎の美女が声をかけてきた

「ここはどこですか!?解放してください!」

「あぁ、もう終わったからいいよ」

「かなりあっさり解放された!?」
まさかの展開にびっくりだよ!?

「あ、これつけとくね」
謎の美女が僕の腕に謎のリングをはめる。

「えっなんですかこれ…ちょっ、外れないんですけど!?」

「はい、用事終わったから帰っていいよー
さて、チューハイでも飲むか~」

「いや帰り道分かんないですしそもそもここどこですか!?というか貴女一体誰!?」

「めんどくさいな~もう。リーダー、説明任せた。」

「リーダー?」
すると部屋のドアが開き、黒いローブを纏った仮面の男が現れた。

「フハハハハハハハ!!我々は悪の秘密結社、ブラックシュバルツ!
貴様は我々と戦うヒーローに選ばれた!光栄に思え!」

「……は?
いやいや、ちょっと待ってください。今時悪の秘密結社って何ですか……ドッキリか何か?
そもそも対抗するヒーロー作ってどうするんですか………」

「我々の組織は今慢性的な資金不足でな。
そこでヒーローとの戦いをネット配信して広告収入を稼ごうと思ってな。」

「資金不足な悪の秘密結社ってどうなの!?
ていうか別にヒーローになりたい訳では無いので辞退します……」

「え、もう無理。
だってこのプロジェクトに残りの資金ほぼ突っ込んじゃったし」

「本人の意思確認しましょうよ!?」

「ということでまぁ自宅まで転送してやろう!
特別サービスだ!」

「転送技術とかあるならそれで特許とればいいんじゃないですかね!?」

「その発想は無かった」

「こいつら阿保か!?」

「とりあえず詳しくはナビちゃんに聞くがいい!!さらばだ!」

「えっ、まだ話は──」
まばゆい光に包まれ、意識が遠退いた─

ジリリリ!ジリリリ!
目覚まし時計の音がする
「……夢?」

「じゃないっスよ~」
目の前に何か猫とウサギの中間みたいな小動物が現れる。

「まだ夢か。おやすみ」

「いやいや、逃避しないで欲しいっス」

「そりゃ逃避したくもなりますよ起きたら何か得体の知れない何かがいるとか普通じゃないし」

「あ、自己紹介が遅れたっス
私、ナビっていうっス」

「あぁ、なんかあいつらが言ってたやつか
……じゃあ夢だな、おやすみ」

「いやいや、逃避しないで欲しいっス
…って何回やるんスかこれ」

仕方がないので起きる
「で、一体何?
黒黒団が出ても無視しとけばいいんだよ…
別に僕に被害無いし………」

「あるっスよ~
コウさんの中学時代のポエム帳、持ってかれたっス」

「黒黒団ぜってえ許さねぇブッ潰す焼き払う」

「やる気になって良かったっス
では早速出動っス」

「待って、起きたばっかなんだけど
せめてご飯食べさせて」

───────────────────────

「ブラックシュバルツが暴れてる町に到着っス!」

「ナビちゃんテレポート使えるんだ……」

「つべこべ言わず変身っス!
リングに手をかざすっス!」

「こ、こう?」
\マジカルターイム♪/

……明らかに魔法少女的なステッキが出てきました。

「な、ナビちゃん、これは一体?」

「変身キーワードは【マジカ☆チェンジ】っス!」

「キーワードを聞いてるんじゃないよ!何で魔法少女何だよ!?僕男だぞ!?」

「戦闘シーンが撮れなかったら代わりにポエム帳が公開されるっスよ」

「【マジカ☆チェンジ】!」

ステッキが光を放ち、僕の全身を覆っていく

魔法少女コウコウ☆華麗に参上!
…って口が勝手に……」

『現れたな 魔法少女コウコウよ』

「ねぇこの敵明らかに特撮の終盤に出てくるラスボスの強化態だよね!?
少なくとも魔法少女が戦う相手じゃないよね!?」

何か色々取り込んで強化したキメラのようなかなりグロッキーな敵だった。帰って本読みたい。

『我々の計画を邪魔するつもりか 人間
ならば容赦はしない』

「…さっきのお姉さんとか仮面の男って人間じゃなかった?」

「コウコウ、気にしちゃ駄目っス」

「あーもうこうなりゃやけだ!
何かビーム出ろ!」

ドギュゥゥゥゥン!!
ドゴーン!!

「いきなりビームっスか!?
ちょっ、展開ってもんがあるっスよ!」

「悪の手先が倒されてみんなハッピーってことじゃないの?
はい、帰るよ」

「リスナーが見たいのは敵にやられて服がボロボロになったりするラキスケっス
あくまで街を守ってる訳だからダメージ受けるのは自然っスから」

「お前らの魂胆がよーくわかった!
こいつまだ死んでないみたいだし拷問してアジトの場所聞きだす!!」

『ポエム公開』

「あぁービームの反動で動けないー(棒)」

『今だ! 服だけなんかいい感じに溶かすビーム!』

コウコウのコスチュームが垢BANされないギリギリこレベルで溶かされる!

「(こいつらぜってえ後でシバく)」

「あ、撮れ高足りたっスからもう倒していいっスよ」

「【マジカルファイナルビームバースト】!」

ドドドギュゥゥゥゥンッッ!!
ドッッゴーン!!!

キメラ怪人大☆爆☆散!

「即断即決っスね…」

「帰るよ。マスコミ来ても困るし…
というかここ近所だから見つかりたくない
【テレポート】!」

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こうして、魔法少女コウコウにより街は守られた!
しかし、悪の秘密結社ブラックシュバルツの企みはまだ始まったばかり!
これからも、コウコウを応援してくれよな!!


(多分続かない)